Q.明日テストだけどブログしてて大丈夫なのか?
大丈夫じゃ
本拠地、自宅で迎えたテスト前勉強
ゲームに夢中で、やる気も勢いを見せず惨敗だった
自宅に響く母親のため息、どこからか聞こえる「今年は塾だな」の声
無言でゲームする頭の中、勉強をするためのやる気は独りベンチで泣いていた
中学校で手にした栄冠、喜び、感動、そして何より信頼できるチームメイト・・・
それを今の高校で得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいんだ・・・」やる気は悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、やる気ははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たいベンチの感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰って英単語を覚えなきゃな」やる気は苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、やる気はふと気付いた
「あれ・・・?ワイが勉強してる・・・?」
ベンチから飛び出したやる気が目にしたのは、頭の中まで埋めつくさんばかりの知識だった
千切れそうなほどに旗が振られ、地鳴りのように中学校の校歌が響いていた
どういうことか分からずに呆然とするやる気の背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「やる気、守備練習だ、早く行くぞ」声の方に振り返った内川は目を疑った
「す・・・理科さん?」 「なんだアゴ、居眠りでもしてたのか?」
「こ・・・数学コーチ?」 「なんだ内川、かってに数学さんを引退させやがって」
「公民さん・・・」 やる気は半分パニックになりながらスコアボードを見上げた
1限目:数学 2限目:体育 3限目:国語 4限目:英語 5限目:公民 6限目:内川 7限目:音楽 8限目:理科 9限目:美術
暫時、唖然としていたやる気だったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
「解ける・・・解けるんだ!」
音楽からグラブを受け取り、グラウンドへ全力疾走するやる気、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・
翌日、ベンチで冷たくなっているやる気が発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った
高校の勉強わからない…
中学に戻りたい…